実家に一人残っていた母親の死をきっかけに、ヤスコは地元に戻った。
翻訳やライターの仕事をしているため、帰ってきても特に仕事や暮らしに困ることが無かったヤスコだが、「ここでなくてもいい」そんな居心地の悪さも感じていた。
やがて、三女のアサコが離婚し、子供達を連れて戻ってきて、なんとなく日々が過ぎていた。
そんなある日、次女のネネが「蔵で探し物がある」と、突然帰省してくる。
三姉妹それぞれの心模様、現実の暮らしと、ややずれたところにあるなにか。
ただ切り取られた、どこかにあるかもしれない日常が、静かに流れていく。